経営マインド

顧問弁護士がいない会社の割合は?全国調査2回分で実態を読む

顧問弁護士の有無で変わる会社の未来

自社に顧問弁護士はいない。契約すべきか迷ってはいるが、そもそも他社はどうしているのかが分からない。そう感じて検索された方が多いのではないでしょうか。

この記事では、日本弁護士連合会の全国調査2回分の報告書を原典まで当たり、公表されている数字と、それを読むときの前提を整理します。検索すると「61.5%」がよく出てきますが、いつの調査のものかまで書かれていることは多くありません。

作成者 室井 香南(株式会社Izu 代表取締役) プロフィール

作成日 2026年9月29日 最終更新日 2026年9月29日 本記事は2026年9月時点の情報です 読了時間 約7分

出典・参照 日弁連 第1回 中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書/日弁連 第2回 中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書/株式会社Izu「社長のミカタ」

顧問弁護士がいない会社の割合は、どのくらいですか?

日弁連の第1回全国調査では、顧問弁護士も相談できる弁護士もいない企業が61.5%でした。顧問弁護士がいる企業は19.5%、顧問ではないが相談できる弁護士はいる企業が16.2%です。つまり6割の中小企業に、相談相手としての弁護士がいませんでした。

顧問弁護士がいない会社の割合が61.5%、顧問弁護士がいる企業が19.5%であることを示す図 図1 中小企業の顧問弁護士・相談できる弁護士の有無 いない 61.5% 顧問弁護士がいる 19.5% 顧問はいないが相談できる弁護士はいる 16.2% 無回答 2.8% 「いない」は、顧問弁護士も、顧問ではないが相談できる弁護士も、どちらもいない状態を指します。 有効回答3,214社。比率は都道府県ごとの企業数でウェイトバック集計した値です。 出典:日弁連 第1回 中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書(調査結果編)

6割という数字が意味していること

この調査では、弁護士を利用したことが「ない」と答えた企業が47.7%ありました。法的手続きでのみ利用が23.2%、法的手続き以外の相談でも利用が28.6%で、報告書は利用経験のある企業を半数程度の51.8%と記しています。顧問契約の有無だけでなく、弁護士との接点そのものが薄い状態が見えてきます。

利用していない理由の最多は「相談すべき事項がない」

利用したことがない理由で最も多いのは「特に弁護士に相談すべき事項がない」で、第1回74.8%から第2回86.3%へ増えました。一方「弁護士は探しにくいから」は5.3%から2.7%へ下がっています。探しにくさは和らぎ、必要性を感じていないという理由が残った形です。

出典:日本弁護士連合会「中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書(調査結果編)」(2006年12月〜2007年6月実施・有効回答3,214社)。原典は報告書のPDFで公開されています。

その61.5%という数字は、いつの調査のものですか?

2006年12月から2007年6月にかけて実施された第1回調査の数字です。2026年9月時点で約19年が経過しています。より新しい第2回調査は2016年に行われましたが、顧問契約の有無だけを単独で集計した数字は報告書に見当たりません。

第1回調査は顧問弁護士の有無を聞き、第2回調査は相談できる弁護士の有無を聞いていることを示す図 図2 2回の全国調査で、聞いていることが違う 第1回(2006年12月〜2007年6月) 第2回(2016年) 有効回答 3,214社 設問:顧問弁護士・相談できる弁護士の有無 いない 61.5% / 顧問弁護士がいる 19.5% 回答 3,887社(回答率25.9%) 設問:過去10年間の弁護士の利用経験/現時点で相談できる弁護士の有無 相談できる弁護士がいない 62.1% / いる 37.3% 第2回の62.1%と37.3%は、弁護士の利用経験の設問と統合した集計(3,846社)の値です。 設問が異なるため、61.5%と62.1%を「ほぼ横ばい」と読むことはできません。 出典:日本弁護士連合会「中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書(調査結果編)」(2006年12月〜2007年6月実施・有効回答3,214社)/日本弁護士連合会「第2回中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書」(2016年実施・回答3,887社・回答率25.9%)

報告書自身が比較のしかたを説明している

第2回の報告書は、前回調査で「顧問弁護士がいる」または「顧問弁護士はいないが相談できる弁護士はいる」と答えた企業が35.7%だったとしたうえで、「相談できる弁護士がいる」企業はやや増えているとしています。35.7%と37.3%という、揃えた数字で語られている点が重要です。

出典:日本弁護士連合会「第2回中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書」(2016年実施・回答3,887社・回答率25.9%)。原典は報告書のPDFで公開されています。日弁連中小企業法律支援センターと帝国データバンクの共同作業による調査です。

顧問弁護士がいない会社は、困りごとを誰に相談しているのですか?

第2回調査では、弁護士以外の社外の人に相談した理由として「日頃から頻繁に連絡を取っているから」が64.6%で最も多く、次いで「貴社の業務をよく分かっているから」が46.7%でした。相談先は専門性だけでなく、距離の近さで選ばれています。

相談先を決めた理由 回答比率 調査
日頃から頻繁に連絡を取っているから64.6%第2回(2016年)
貴社の業務をよく分かっているから46.7%第2回(2016年)

接点の多さが相談先を決めている

日々やり取りしている相手なら、改まって連絡する必要も、自社の事情を説明し直す手間もかかりません。裏を返せば、顧問弁護士がいない会社の課題は「弁護士を知らないこと」よりも「日頃の接点がないこと」にあるとも読めます。

弁護士に相談したときの満足度は高い

第2回の報告書は、一部の項目で回答数が少ない点に触れたうえで、弁護士で対処した場合の満足度が困りごとの内容にかかわらず高いことがうかがえる、としています。ただしこれは回答企業の受け止めであり、個別の案件で同じ結果になることを示すものではありません。

出典:日本弁護士連合会「第2回中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書」(2016年実施・回答3,887社・回答率25.9%)(満足度の集計は回答数364社)。

自社は、顧問弁護士がいない状態のままでよいのでしょうか?

当てはまる項目が多いほど、相談先を決めていないことが判断の遅れにつながりやすい状態です。下のチェックは診断ではなく、自社の状況を言葉にするための整理です。気になった項目は、そのまま相談時のメモとして使えます。

相談先の備えセルフチェック(6項目)

当てはまるものにチェックを入れてください。個人情報の入力はありません。

当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。

当てはまった数でみる読み取り方
当てはまる数読み取り方
0〜1個影響は今のところ小さい状態です。取引の規模や従業員数が変わったときに見直せば十分です。
2〜3個判断を先送りしている論点が出てきています。どの分野の相談が必要かを1つに絞ってみてください。
4〜6個複数の分野で判断を保留しています。相談先を決める理由の上位だった「日頃の接点」を先につくる価値があります。

顧問契約を結ばずに、相談先を確保する方法はありますか?

あります。顧問契約のほかに、単発の法律相談、弁護士会の相談窓口、月額制のメンバーシップといった入口があります。大切なのは契約の形式ではなく、困ったときに連絡できる相手が決まっていることです。

相談したい分野を絞り、入口を選び、接点をつくり、記録を残すという4段階で相談先を決める流れを示す図 図3 相談先を決めるまでの進み方 STEP 1 分野を絞る 契約・労務・債権 どれが先か決める STEP 2 入口を選ぶ 顧問契約/単発相談 /月額制を比べる STEP 3 接点をつくる 一度実際に 相談してみる STEP 4 記録を残す 聞いたことを 社内で共有する 第2回調査で相談先を決める理由の上位だったのは「日頃から頻繁に連絡を取っているから」でした。接点は先につくるほど効きます。 進め方は会社の規模や課題によって変わります。 出典:日本弁護士連合会「第2回中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書」(2016年実施・回答3,887社・回答率25.9%)

株式会社Izuの「社長のミカタ」という選択肢

株式会社Izuが運営する社長のミカタは、経営者向けの月額制メンバーシップです。会員登録のあと公式LINEから、士業や経営顧問などの専門家に直接連絡できます。料金は次のとおりです。

プラン 月額(税別) 相談できる相手
士業プラン10,000円弁護士・税理士・社会保険労務士
総力プラン30,000円上記に加えて経営顧問などの専門家
バックオフィスプラン100,000円上記に加えてバックオフィス業務(月20時間稼働)

士業への相談枠は毎月各30分程度まで、経営顧問や経営者の壁打ちなどは毎月60分1セッションです。契約期間の縛りはなく、いつでも解約できます。規定の時間を超える実務の依頼は、専門家と協議のうえで別途見積りとなる場合があります。

顧問契約と月額制を、どう選び分けるか

相談の量と深さで整理できます。訴訟や継続的な法務体制の構築まで見据えるなら個別の顧問契約が、月に数回の確認や分野をまたぐ相談なら月額制が使い切りやすいことがあります。どちらが合うかは、前の章で当てはまった項目の数と分野を見ると判断しやすくなります。

出典:料金・利用枠は株式会社Izu「社長のミカタ」サービスサイトの掲載内容(2026年9月確認・税別表示)。会社概要は株式会社Izuの会社情報をご覧ください。

顧問弁護士がいない会社から、よくいただく質問は?

検索やお問い合わせでよく出てくる質問をまとめました。いずれも日弁連の調査報告書と当社サービスの公開内容にもとづくもので、会社の状況によって答えが変わる部分は、その旨を添えています。

顧問弁護士がいない会社の割合は、結局どのくらいですか?
日弁連の第1回全国調査(2006〜2007年実施・有効回答3,214社)では、顧問弁護士も相談できる弁護士もいない企業が61.5%、顧問弁護士がいる企業が19.5%でした。ただし約19年前の数字で、第2回調査(2016年)では設問が変わり同じ物差しの最新値は公表されていません。

なぜ最新の「顧問弁護士がいる割合」が分からないのですか?
第2回で設問設計が変わったためです。第2回は「過去10年間の弁護士の利用経験」と「現時点で相談できる弁護士の有無」を軸に聞いており、顧問契約の有無だけを集計した数字は報告書に見当たりません。

顧問弁護士がいない会社は、法的な困りごとにどう対処しているのですか?
第2回調査では、弁護士以外に相談した理由として「日頃から頻繁に連絡を取っているから」が64.6%、「業務をよく分かっているから」が46.7%でした。

顧問契約を結ばないと、弁護士には相談できないのでしょうか?
そうとは限りません。単発の法律相談、弁護士会の相談窓口、会員制サービスなど複数の入口があります。

社長のミカタは顧問契約とどう違うのですか?
社長のミカタは月額制のメンバーシップです。士業プランは月額10,000円(税別)で、弁護士・税理士・社会保険労務士へ毎月各30分程度まで相談できます。契約期間の縛りはありません。

まず何から確かめればよいですか?

最初に確かめたいのは、自社がどの分野の相談を必要としているかという一点です。契約書か、労務か、債権回収か。分野が決まれば、顧問契約と月額制のどちらが合うかも見えてきます。そのうえで費用と利用枠を実際の数字で比べてみてください。

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